忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

夢に酔う《双花》  リサイクルSS

こんばんは
小鈴です。

今月二回目のブログだよ!
先月に比べたら真面目にヲタしてまする。
威張ることじゃない。


さてと、ついったでぽろぽろと落書きしたのでまとめてちょっと加筆してのっけておきますよ。

診断メーカーさんが
楸瑛をベッドに押し倒してみると、顔を耳まで赤くして、ドキドキという心臓の鼓動がこちらまで聞こえてきそうです。
なーんて言うものだから、
楸瑛さんスキーなあたくしとしてはもう妄想が膨らんで爆発してしまいましたの。

そんな訳で、押し倒されている楸瑛さんです。
一応全年齢向けだぜ。

BLオッケー双花オッケーな方は続きからどうぞー。

一応、花見の後的な感じではなかろうかと思う、そんな話。
 ゴンっと大きな音がして、後頭部に衝撃が走った様な気がしたけれど、スプリングの良く効いたベッドに低反発のウレタンのマットを重ね、羽布団を掛けた彼の寝床でそれはありえないことで、つまりそれは楸瑛の動揺がそう感じさせたに過ぎない。
 どきどきと煩く繰り返す鼓動が、指の先までも伝播してゆき、腕も足もまるで自分のものでは無いかのように、ぴくりとも動かすことができない。
 確かに絳攸に乗り掛かるように押し倒され、そのままベッドの上で捕らえられてはいるけれど、体力だけを問題にするならば彼など楸瑛の相手にもならない。
 にもかかわらず、縫い留められたように動けないのは、彼の熱い息と眼差しのせいだと思う。
 不機嫌そうに細められた目は、真っすぐに楸瑛に向けられている。微かに首筋にあたる吐息は、彼の体温が楸瑛のそれよりも高いことを物語っている。
 身じろぎさえも許されるまま、楸瑛はせめてもと真っ直ぐに眼差しを返した。

 一瞬か、永遠か、何れとも判らぬ均衡を破ったのは楸瑛の方だった。
「……こうゆ、う?」
 彼の名を呼ぶ、それだけのこと。
 今まで何度となく繰り返してきたはずなのに、たったそれだけのことで、声はかすれ、額には汗が噴き出す。
 それでもどうにか彼の眼差しの呪縛を解いて、その白く細い顎へと手を伸ばしたその時だった。
 ふいに絳攸の唇が、ふわりと落ちて来る。

 困惑し、驚き、戸惑い、慌てそして嘆息する。
 楸瑛がそれらを全て終えるまで、およそ三秒。
 楸瑛が気がついた時には、絳攸は楸瑛の胸の上で静かに寝息を立てていた。
 無造作に伸ばした髪が邪魔だと、襟足を一つに括ったのが呼吸に合わせて上下するのをそっと解いてやりながら、楸瑛は呟いた。
「……そういえば君、随分と飲んでいたものね」

 思い返せば、簡単なこと。
 その簡単なことも判らなくなる位には、楸瑛も酔っているらしい。
 とにもかくにも朝までこのままという訳にはいかないと身を起こそうとすれば、入ったばかりの眠りを邪魔してくれるなと言うように、絳攸がぎゅっとしがみついて来る。
 わかったよと言葉で伝える代わりに彼の背を軽く叩くと、器用に羽布団を被って楸瑛は目を閉じた。

 朝になれば彼は、怒るかもしれない。
 そうだとしても、今宵、ただ一時の夢に酔う。

【了】

恋人なのかそうじゃないのか
片思いなのか相愛なのか

皆様のご想像にお任せしまする

拍手[7回]

PR

この記事にコメントする

お名前
タイトル
メール
URL
コメント
絵文字
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード

プロフィール

HN:
小鈴【こすず】
HP:
性別:
女性
職業:
会社員
自己紹介:
Rosaceae管理人小鈴による更新の記録

ブログ内検索

最古記事

アクセス解析

カウンター

呟き

本棚