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802の日  静蘭秀麗

こんばんは
小鈴です


H23/8/2はにーさんぱんつのひ
でした
うん。さっき終わったからね。
いつもこういう企画系間に合わないな。

そんなわけで
パンツにまつわる静蘭のお話を書きましたよっと。

現パロ
静蘭→秀麗
秀麗が中学三年生です


力尽きたので、推敲もしてないYO
3200字くらいなので、ブログに張るには若干長めです。
携帯閲覧だと、NEXTって出るんじゃなかろうか。
勢い余って書きすぎました。
後悔はしていないけど。
前回のブログの燕青くらいの分量でも書けるようになりたいです。
精進します。
前半はついったで流しておりました。
若干加筆してます。

【熱帯夜】
本文は畳んであります
熱帯夜


あれはお嬢様が中学生になった頃からだろうか? 
お嬢様が洗濯を任せてくれなくなった。

お嬢様もお年頃である。
そのような恥じらいが出てきても、おかしくは無い。
おかしくは無い筈なのに、今までその事から目をそらし続けてきたのだと、静蘭は気付いた。

なんということだろう。

今までは秀麗の行動範囲などせいぜいこの町内に限られていたから、静蘭としても虫除けは簡単だった。
けれど、来年はお嬢様も高校生。
静蘭としても、今までほどには彼女の周りの出来事を把握することはできなくなる。

身の程をわきまえない馬鹿な男が、命知らずにもお嬢様に交際など申し込む事も、ないとは言えない。
お嬢様はお優しいから、断る事もできずに、相手の勢いに押されてついうっかり首を縦に振ってしまうかもしれない。
少し頬を染めながら「お付き合い、しているの」と、連れの男を紹介する秀麗を想像してしまい、静蘭は頭を振る。

「ありえない」そう呟いた静蘭の声は、ほんの少し震えていた。 


仕事を終えて外に出れば、差すような陽射しと蝉の声。
青い空に不自然なほどの白さの入道雲の向こう、飛行機雲がゆっくりと消えて行く。
普段はお嬢様は学校の時間だが、今は夏休みだ。
受験生なのだから、家事は任せてくださいと言っているのに、
「静蘭はお仕事で疲れているんだから」と、秀麗は言い張る。

そういえば八百屋の奥さんかおまけしてくれた西瓜が、まだあったはずだ。
あれを切って、お嬢様とゆっくりしよう。
そう思いながら、静蘭は家路を急ぐ。

込み上げる笑いを隠しきれない静蘭を、キャラクター柄のビニールの手提げ袋を持った幼い兄妹が不思議そうに見ていた。

職場から電車なら四駅程の道を歩いて、漸く家に辿り着く。
体質的なものなのだろうが、静蘭はあまり汗をかかない。
だからこそこうして、秀麗には内緒で歩いて帰ってくることもできるのだ。

今でこそ切り詰めた生活をしているが、静蘭の育ての親である邵可が名のある家の出ということもあって、この家も邸と呼べるような広さを誇っている。

もっとも、往時は庭師達により四季折々の美しさを見せていた庭園は、今は見る影もなく、静蘭と秀麗によって植えつけられた野菜たちにとって代わられている。

トマトやオクラ・キュウリ・インゲンマメなど今年の夏の野菜は実りも多く、食事のたびに腕をふるう秀麗も嬉しそうにしている事は、静蘭までも幸せな気持ちにさせてくれた。
(西瓜を食べた後に、二人で野菜の様子を見て、今日の分を収穫するのもいいかもしれない)
そう思いながら静蘭は、門扉を引いた。

靴を脱ぎ、洗面所で手を洗って、キッチンへと向かう。
けれどそこには愛しいお嬢様の姿は無い。
おかしいと思いながらも、帰宅を告げようと彼女の部屋へ向かう。

こんこん、とちいさくノックをして、「お嬢様」と呼びかけた静蘭の声に、返事は無い。
「お嬢様、ただいま戻りました」
再度声をかけてドアを開く。
本棚に囲まれた部屋には、ファッション雑誌も、キャラクターグッズも無い。年頃の少女らしい華やかな彩りとは無縁で、その事に静蘭は安堵する。
幼い頃から使っている、傷だらけの学習机の上には、参考書とノートが重ねられ、その上に小さなペンケースが乗せられていた。

この部屋を与えられた当初、病弱な秀麗はまだ身体も小さくて、よじ登る様にして椅子に腰かけては机に向かっていた。
何事か、一生懸命に手を動かしているのが微笑ましくて覗こうとした瞬間、静蘭に気付いた秀麗が書きかけのノートを閉じる。
「せいらんは、きちゃだめよ。ね、あっち、いっててね」
あれは、泣いているお嬢様に通り過ぎられて、真っ直ぐ奥様のところへ行かれて以来の衝撃だった。
わずか6歳のお嬢様に部屋を追い出されて、仕方なく自室で本を開いていた静蘭は、ぱたぱたと小さな足音に顔を上げる。
「せいらん、いる?」
僅かに開かれたドアの隙間から、窺うようにして秀麗が覗いていた。
「どうぞ、お嬢様。入っていらして、大丈夫ですよ」
読みかけの本を、机の上に置き、そう告げた静蘭の元へとやってきた秀麗は、小さな体の後ろに何かを隠すように両手を背中にまわしている。
ベッドに腰掛けた静蘭の足元に、きちんと正座をして、漸く静蘭に差し出されたその手には先程のノート。
「ね、みて?」
にこにこと言われ、意味もわからぬままに開いた静蘭が目にしたのは、「せ ー ら ん」の四文字だった。
隣には、「と う さ ま」と「か あ さ ま」、そして「こ う し ゅ う れ い」と、お世辞にも上手とは言えない文字が並んでいる。
「ねえ、じょうず? じょうずに かけた?」
そう静蘭の返事を窺う様子も愛らしく、床に座っていた秀麗を自らの膝元へ抱き上げた。
「上手に書けていますよ、お嬢様」
そう言って撫でた髪の毛は細くて、柔らかった。

風の匂いが変わって、庭の野菜の葉がぱちぱちと音を立て始めた。
窓の外にひらひらと舞うものが見え、勝手口から外に出る。
生温い風と、乾いた土にしみ込む雨のにおいの中、バスタオルが揺れている。
家の中にいる筈の秀麗が見つからない事に疑問を感じつつも、無事に洗濯物を回収した静蘭は家の中へと向かった。

それにしてもお嬢様はどこに行ってしまったのだろう?
取り込んだ洗濯物をひとまずソファの上に置き、静蘭は思った。
窓から見上げた空は、先程までとは打って変わって暗い。
ゆっくりと膨らんでいた入道雲に呼ばれて、雷がやってくるのも時間の問題だろう。
お嬢様は、雷が苦手だ。
迎えに行きたいけれど、行き先もわからない。
取り込んだ洗濯物を畳む気にもなれず、窓を叩く雨を見ていた。

扉を開く音に、静蘭も玄関に向かう。
傘が無く走って帰ってきたのだろう。
制服姿の秀麗が、肩で息をしている。
「お嬢様、おかえりなさいませ。今タオルをお持ちしますね」
そう声をかけて踵を返す静蘭を秀麗が呼びとめる。
「……待って、静蘭。いいから」
濡れた髪から伝う水滴を拭う秀麗の、白い制服のブラウスは雨に濡れて下着の形が露わになっている事を伝えるべきか静蘭が逡巡しているときだった。
ガラスの扉の向こうで、ぴかりと空が光った。
駆け寄った静蘭が秀麗を抱きしめたのと同時に、秀麗の悲鳴が響いた。

「お嬢様、もう雷も落ち着いたようです。着がえないと、風邪をひいてしまいますよ」
嘘のように雨脚が弱くなったのを確認して、腕の中で身体を硬くして震える秀麗に声をかける。
昔は一晩中でも側にいてやらないと駄目だったのに、近頃では雷が鳴らなくなるとすぐに恥ずかしそうに離れて行く。
目を逸らしているだけで、少しずつ訪れ始めている変化は、静蘭だって気付いている。
けれど、少しくらいの抵抗なら許してほしい。
誰にとも解らぬままに許しを請いながら、静蘭はもう一度強く秀麗を抱きしめた。
「もう大丈夫。ごめんね、静蘭」
やんわりと、しかし何処か反論を許さない口調で秀麗が告げる。
静蘭は腕の力を抜いて身体を離しながら、意識して笑顔を作った。

「ごめんね。図書館で借りた本、今日までだったの思い出して」
学校に行っていたのだが傘を持っていなくてと、言い訳するように秀麗は言う。
「外にいらっしゃる間に雷に会われなくて何よりでした」
「頑張って走ったもの。それに、洗た、――洗濯物、忘れてた!」
洗い直しだわ、水道代と電気代と洗剤代の無駄ねと一人落ち込む秀麗に大丈夫ですよと声をかける。
「大丈夫です。私が取りこんでおきましたから」
だから安心してくださいと告げる静蘭だったが、予想に反して秀麗の顔はみるみる曇っていく。
「嘘っ! ぜ、全部?」
「もちろん、全部ですが……」
質問の意図が解らず首を傾げる静蘭に、きっと眦を吊り上げて秀麗は言う。
「嘘っ! 下着もあったのに。静蘭の馬鹿っ」

確かに、バスタオルに隠すようにして干してあった、しましまのパンツも取り込みました。
でもそのままにしておくこともできませんでしたし……。
一体私はどうすれば良かったのですか?
自室へと走っていく秀麗の背中を見ながら考えても答えなど出ず、溜息をつくことしかできない静蘭だった。


【了】

表現しきれていないのが残念ですが
「ブラが透けている事には気付かないのに、干してあったパンツは見られたくない秀麗ちゃんの乙女具合」と
「それにあてられている可哀想な静蘭」



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パンツ!

  • 蜜柑酢
  • 2011/08/04(Thu)20:07:17
  • 編集
原作では最後までカッコいい秀麗ちゃんだったので、久しぶりにかぁわいい秀麗ちゃんを見れてデレッとしました!
秀麗ちゃんよりお年頃な静蘭がたいへんおいしゅうございました。
静蘭秀麗、わたしもまた熱が再燃しそうです。
素敵かわゆいおはなし、ありがとうございました!

Re:パンツ!

  • 2011/08/08 18:11
蜜柑酢お嬢様ありがとうございます。
>秀麗ちゃんよりお年頃な静蘭がたいへんおいしゅうございました。
>静蘭秀麗、わたしもまた熱が再燃しそうです。
おやおや、お嬢様も書いてくださっても宜しいのですよ!
コメントありがとうございました。

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